印刷会社へ印刷物の作成をお願いするときに必ず聞く『入稿』という言葉。なんとなく知っているけど、実際の意味や流れについては詳しくわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はその『入稿』について解説します!
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入稿とは
入稿とは、お客様が印刷会社などへ『原稿やデータを渡すこと』、または印刷会社などがお客様から『原稿やデータを受け取ること』を指します。立場によって意味が変わるため、2つの意味があります。原稿を渡す場合は『入稿する側』、原稿を受け取る場合は『入稿される側』となります。自分がどちらの立場にあるのかを意識しながら使用するようにしましょう!
入稿に関連する用語
校正
校正とは、入稿された原稿やデータが正しく制作されているかどうかを確認することです。原稿の場合は誤字脱字などのミスがないかを確認し、デザインデータの場合はレイアウトのずれや色の不具合がないかを確認します。また、見つかったミスなどの修正を行う作業自体を指すこともあります。
校正には、原稿内の誤字脱字や表記の揺れなどを確認し、正しい文章になっているかを確認する『文字校正』や、実際に印刷される色味を確認する『色校正』などがあります。かたぬき印刷アトリエでは、完全データ入稿をお願いしているため、主に色校正を行っています。色校正の種類については、後述の入稿の流れでご説明します。
校了
校了とは、データの不備や修正箇所がなくなり、『印刷できる完全な状態』になることを指します。「このまま印刷していいですよ」というお客様からの最終確認の証であり、印刷会社はこれを受け取ってから印刷工程に移ります。校正は何度も繰り返されることがありますが、校了は一度しかありません。校了になってからの修正は受け入れられない場合が多いので、よく確認をしてから印刷会社へ伝えるようにしましょう!
入稿の注意点
illustratorデータ入稿の場合
Illustratorデータの場合、以下の点に気を付けていただくと、校正や印刷がスムーズになります。
- 用紙サイズ、仕上がりサイズに間違いがないか
- 印刷時にズレが発生しないよう、正しいサイズを確認しましょう。
- 文字のアウトライン化ができているか
- 文字化けを防ぐため、文字をアウトライン化しておきましょう。
- カラーモードはCMYKになっているか
- データ上の色と印刷後の色が一致するよう、カラーモードをCMYKに設定しましょう。
- 画像のリンクが配置されているか
- 画像が消えないように、全てのリンク画像が正しく配置されていることを確認しましょう。
- トンボと塗り足し3mmの設定がされているか
- 断裁時に紙の色が見えてしまわないように、トンボと塗り足し3mmを設定しましょう。
- 画像の解像度は適切か
- 画像が荒く見えないように、解像度は350dpi以上を推奨します。
PDFデータ入稿の場合
PDFデータの場合、以下の点に気を付けていただくと、校正や印刷がスムーズになります。
- トンボと塗り足し3mmの設定がされているか
- 断裁時に紙の色が見えてしまわないように、トンボと塗り足し3mmを設定しましょう。
- 画像の解像度は適切か
- 画像が荒く見えないように、解像度は350dpi以上を推奨します。
- PDFのバージョンは適切か
- 正しく表示されるために、PDFのバージョンはPDF/X-1aまたはPDF/X-4を推奨します。
入稿の流れ
かたぬき印刷アトリエでは、弊社でデザインから作成させていただく場合を除き、完全データ入稿をお願いしております。完全データ入稿とは、弊社側でデータの中身を変更しない状態で入稿していただくことを指します。
入稿
かたぬき印刷アトリエのサイトのホームタブにある『入稿はこちら』から必要事項をご記入いただき、ご入稿をお願いいたします。
データ入稿後
印刷可能なデータか確認し、校正をお送りします。校正の種類は、PDF校正・簡易校正・本機色校正の3種類があります。詳細については以下のボタンよりご確認ください。校正は、印刷データの最終確認・調整を目的に行っております。
校了のご連絡
校正紙をご確認いただき、「校了」または「修正あり」をご連絡ください。場合によっては、お客様にデータ修正をお願いし、再入稿をお願いすることもございます。また、データ修正にお時間がかかった場合、納期を変更させていただく可能性がありますので、大量のデータを扱う印刷物の場合は、余裕を持った入稿をお願いいたします。
入稿前に要チェック!発生しやすい記載ミスについて
文章を作成し、入稿して安心!と思ったら、記載ミスが発覚することがあります。担当者にとってはぎょっとするようなトラブルも、時々発生します。以下は、入稿後に記載ミスが発見されやすいポイントのリストです。
- 誤字脱字
- 最も多いミスで、見逃しがちです。入稿前に再度、文章全体を確認しましょう。
- 日付や数字の間違い
- イベントの日付や価格、数量などの数字は特に注意が必要です。
- 連絡先の誤り
- 電話番号、メールアドレス、住所などの連絡先情報は正確に記載しましょう。
- リンクの誤記
- ウェブサイトのURLやQRコードが正しいか確認してください。
- レイアウトの崩れ
- 特にデザインデータでは、レイアウトの微妙なズレが発生することがあります。
- フォントや色の不一致
- ブランドガイドラインに沿っているか、フォントや色の設定を確認しましょう。
- 内容の漏れ
- 必要な情報が全て含まれているか、確認リストを使用すると便利です。
- 図や画像の間違い
- 図や写真が正しいものを使用しているか、位置やサイズも含めて確認しましょう。
これらのポイントに注意することで、入稿後のトラブルを防ぎやすくなります。しっかりと確認したうえで入稿することをおすすめします!
完璧な原稿で校了になることが最善ですが、文章が理解できる程度の間違いや「てにをは」、誤字脱字の場合は「今回はこれでいこう!」と決断されるお客様も多くいらっしゃいます。逆に、絶対に間違えてはいけないポイントにミスがあると、「訂正文書・シール作成」「刷直し」などに直結し、手間も時間もお金もかかってしまいます。ぜひ上記のポイントをご確認ください!
訂正や刷直しの危険が特に高いポイントは、直前に必ずチェックを入れるのがおすすめです!